前立腺がんの手術をしたら勃起しないことがある?

投稿日:2018.05.25

前立腺は男性が持つ生殖器の一つです。
大きさはくるみ程度で、膀胱の出口に、尿道を取り囲むようにあります。
そして前立腺は尿道と接している部分である「内腺」と、さらにその周りにある「外腺」に分かれます。
前立腺がんは、この「外腺」の部分にできる悪性腫瘍になります。

さて、前立腺がんの治療方法としては、腫瘍を摘出する手術と、放射線治療によって悪性腫瘍を小さくする方法があります。
前立腺がんの場合は、早期発見の場合はどちらの方法も高い効果が期待されます。
しかし、どちらの場合も後遺症として、勃起障害が起こる可能性があります。

勃起は脳から神経を通って性的刺激が伝えられ、陰茎海綿体の中を通る毛細血管が拡張することによって起こります。
しかし、がんの治療のために前立腺がんの一部、またはすべてを摘出する過程で、勃起が行われる際に必要な血管や神経が傷つくことがあります。
もし血管が傷つくと陰茎海綿体に十分血液が行かなくなってしまいます。
また、神経が傷つくと勃起を起こすために必要な性的刺激が伝わらなくなってしまいます。

前立腺の周囲には、勃起を起こすために必要な神経や血管が多く通っています。
そのため、手術によって周囲の血管や神経が傷つくと、勃起が思うように起こらなくなってしまうのです。

一方、前立腺がんの手術方法としては、放射線治療もあります。
放射線治療の場合、外部から放射線を当てることに悪性腫瘍を小さくする方法となります。
放射線治療は一般的に、正常な細胞にも影響が及ぶため、副作用が心配されます。
ただし、前立腺は比較的放射線に強い性質があるため、初期の段階ですと手術と同様の効果が得られるとされています。

しかし、放射線治療の場合も、場合によっては周囲の血管や神経を傷つけてしまう恐れがあります。
すると勃起が起こりにくくなる可能性が高まります。

このように、前立腺がんの治療によって、勃起不全が起こることがあります。
そして以前は治療を最優先に考えていたため、勃起不全が起きても仕方ないと考えられていました。
しかし、現在では今後の生活も考え、少しでも機能を残すことを考えるケースも増えています。
治療を行う前に、後遺症についても医師と相談していくことが重要となります。

前立腺がんの手術後に発生する後遺症とは?

前立腺がんの摘出手術を行った後に見られる後遺症は、勃起不全だけではありません。
術後よく見られる後遺症としては、尿漏れ・失禁・頻尿が挙げられます。

前立腺がんの摘出手術を行った後、しばらくの間、尿はカテーテルを通じて排出されます。
そしてある程度体が落ち着いてからカテーテルを抜きますが、この時に尿漏れが起こることがあります。
というのも、カテーテルを抜いてからしばらくの間は、排尿のコントロールが思うようにいかなくなってしまいます。
するとくしゃみなどの少しの刺激でも、失禁を引き越す恐れがあります。

また、手術の際に膀胱にダメージを与え、頻尿が生じることもあります。
膀胱は通常、尿道括約筋を収縮させることによって尿を溜め、尿道括約筋を緩めることによって尿を排出します。
しかし手術によって尿道括約筋が緩んだ状態になると、尿を十分にためることができなくなり、頻尿の症状が現れます。

なお、尿漏れ・失禁は数か月ほどで症状が緩和されていきます。
もし緩和されない場合は、医師と相談しながら薬等で治療を行っていきます。

なお、頻尿の症状は「前立腺肥大症」を引き起こした場合にも現れます。
前立腺肥大症は、本来くるみ程度の大きさの前立腺が卵程度の大きさになっている状態で、この場合は尿道が圧迫されることによって生じます。
また、「前立腺がん」が進行した場合や再発した場合も同様の症状が見られるため、頻尿の症状が見られたら十分に注意する必要があります。

また、前立腺がんの治療の際、これらの後遺症が発生するのは摘出手術を行った場合だけとは限りません。
放射線治療の場合も周囲の臓器に影響を及ぼすため、膀胱等にダメージを与える可能性があります。
前立腺がんの治療を行う際は、後遺症があることも考え、医師と相談しながら治療を進めていきます。